記憶に残るライブ vol.1


今年は、「音楽」ってものを改めて考えさせられた年になりました。
きちんと「音楽」と向き合いたい、と思ったのも小沢健二が初めてで、
そのきっかけになったのはこのツアーのライブだった、と思う。
多分、私のライブの原点はコレだな、と思います。
(それ以前にもライブは行ったことあるんだけど)


小沢健二 レビュー96−ダイヤモンド組曲・甘夏組曲・サファリ96−
3/23 大阪城ホール & 3/31 日本武道館


小沢くんの音楽を聴き始めて
もう10年以上たつんだね。。。
小沢くんのライブは、その前の「VILLAGE」で1つ、「レビュー96」で2つ、
今のところ最後のツアーになってる「LOVER」で1つ、に行きました。
その中でも、特に印象に残っているのは、「レビュー96」


今思うと、時期的に小沢くんが一番ノっていた時期になるんだろうね。
その前の年には、「HEY!HEY!HEY!」のチャンプになったり、
年末には紅白にも出て、後ろに北島サブちゃん達を従えて「ラブリー」を歌ってた。
オザケン」という言葉が市民権を得て、っていうかブームになってた。
そして、その小沢くんに対してバッシングが存在したのもまた事実。
(音楽雑誌以外で「オザケン幻想」なんてタイトルの記事もあったな、確か)
年が明けてそんな音楽以外のざわざわしたことが落ち着き初めた頃のツアーでした。


記憶を掘り起こしてみると・・・


当初、参戦するのは3/23の大阪城ホールのみ、の予定。
(当時、ライブなんて1コ行けば十分だ、と思ってました…)
開演してライブが始まって、楽しい時間。
音楽をその楽しさを体全体で表現しながら、笑顔で歌う小沢くん。
でも、ある曲が始まった時、笑顔が消えて真剣な表情に変わった。
その曲は、「強い気持ち・強い愛」
小沢くんの、真剣さを通り越した鬼気迫る程の迫力に圧倒されてしまいました。
昔から基本的にライブ中は連れと話す事はしないんだけど、
それでも、この「強い気持ち・強い愛」が終わった後、
「なんか小沢くん凄くなかった?」って問いかけてしまったのを、
今でもそこだけ鮮明に覚えてます。
ライブ後どうしてももう一度この曲が聞きたくなって、
単身赴任中の父のところに遊びに行くことを口実に、
ファイナルの武道館に行く為、東京に行く事を決めました。
(衝動的なのはどうやら昔かららしい・・・汗)
もちろんチケットは完売なので当日券。
でも、そんなこと全然関係ない、と思いました。
あの曲がもう一度聞けるのなら。。。
初めての武道館は、一番上のフロア、しかも立ち見なので手すりの後ろ。
そして、大阪で感じた「強い気持ち・強い愛」の時の小沢くんの真剣さは
私の勘違いじゃなかった。
(「ROCKIN'ON JAPAN」の山崎さんのレポでもそう書いてました)
音楽そのものに対する小沢くんの真剣さや情熱を、
それを日本のポップミュージックというフィールドでやるんだ、
という姿勢を見せつけられた気がしました。
後半での「天使たちのシーン
ここで、何かが螺旋を描いてゆっくりと立ち昇ってくるのを感じたし、
しかも見えたような気さえした。
音楽そのもの、小沢くんの色んな人(亡くなった人も含む)への思い、
観客それぞれのいろんな思い・・・なのかな?
大阪ではそこまで感じなかったんだけどな。
一番上から見てたから余計そう感じたのかも。
なんか神々しいような厳かな雰囲気でした。
歌い終わった後、小沢くんが
「なんか、今日は無茶苦茶よかったんだけど。」と言ったのを覚えてます。
そして「ラブリー」
一転して明るく楽しい曲。
天使たちのシーン」とセットで聞くと、余計に「生きてる〜っ」って事を感じる。
「恋してウキウキ♪」みたいな単なるカワイイ曲じゃないんだよ、この曲は。
本当は奥が深いんですよ。
アンコールの時にもう一度「LIFE IS COMIN' BACK!」と歌いながら、
最初に渡された付け鼻の赤いスポンジをみんなで放り投げた時に、
「今この瞬間を生きてる〜〜っ」って実感しました。
(きっとこの感覚はそこにいた人しか分かんない、と思いますが…)


シカオちゃんのライブでは、手拍子とかみんな一緒の振りつけとかに対しては
正直言って、それってどーよ?と思ってしまいます。
・・・でもね、小沢くんのライブでは、
音楽に身をゆだねて、幸福感を感じて、体を揺らして、手を叩き足を踏み鳴らして、
ドアノックダンスを踊って、時にはみんなで一緒になって歌ったりして、
体全体を使ってその楽しさを表現しない人は、
なんてもったいないヤツなんだっ!と、今でもやっぱりそう思います。


今思い返しても、本当に凄いライブだったと思う。
音とか歌詞とか歌とかそういう表面的な意味での出来ではなく。
頭をカラッポにして、本当に音楽に身を任せてた。
でもって「音楽」の持つ力の本当の強さを初めて知ったライブだったと思う。
そして、人間として凄く幸せな時間だった。
それは多分、「生きてる」という根源的なことを実感できた時間だったから。
いろんなもの・人・事に感謝したくなるようなライブでした。
実際、「音楽の神様、そして小沢くん、ありがとう」と真剣に思ったし。
あれからだいぶたつけど、
あの時感じた気持ちになるようなライブは今でもありません。
小沢くんの音楽を超えるほどの力強さを持った音楽にも、まだ私は出会えてません。


じゃあシカオちゃんはどうなのよ?っていう疑問もあるんだけど、
シカオちゃんの音楽と小沢くんの音楽とは存在するところが違うんだよね。
何が違うのかは私にははっきりとは分かんないな〜。(無責任ですね…)
でも、小沢好き→シカオ好きになってる人が多い、って話を聞いたこともあるな。
・・・何らかの共通点はあるんだろうね。。。



せっかくなので3/31の武道館のセットリスト。

痛快ウキウキ通り
僕らが旅に出る理由
新曲
いちょう並木のセレナーデ
MC
ローラースケートパーク
東京恋愛専科
強い気持ち強い愛
戦場のボーイズライフ
さよならなんて云えないよ
天使たちのシーン
ラブリー
流れ星ビバップ
(アンコール)
ドアをノックするのは誰だ?
ラブリー
新曲
(ダブルアンコール)
さよならなんて云えないよ