今更ながら「情熱大陸」
フジ721「二十一世紀の音霊」を出したなら、
やっぱりこれも…
情熱大陸「オトナのための愛の歌の作り方 スガシカオ」
2001年10月7日に放送されました。
私はTVの方を見ました。
(BS放送分はもう少し長いver.だったみたいですね。見たかった…)
これはすごく好きで、もう何回みたんだろう?
ビデオなので、見すぎて少し画像が悪くなってるし。
その冬のj-waveのクリスマスソングとなった
「Cloudy」が出来るまでの10日間。
スタジオでの制作の過程・マイラジでの様子
習志野の家で「Sugarless」をかけながらインタビュー。
詞の元になる小さい頃の原風景の話。
少年時代を過ごした街の風景、団子やさんとの会話。
j-waveからのお題は「ハートウォーミングなクリスマスソング」
(↑シカオちゃんにそんなお題出してどうする?)
どうも苦手なんだよね、と言い
咥えタバコで(!)「愛について」を少し歌う。
レコーディングの様子、歌詞へのこだわり。
そして、東京湾に近いビルの屋上で、完成した「Cloudy」の弾き語り。
もうこの2箇所と弾き語りにヤラレました。
「音楽は趣味で、仕事で、全てだから」(ナレーションだったけど) あんまり希望100%とかって歌は書けないし、書かないですよね。 そういう生活じゃないじゃない? (完全に希望を失っているわけでもないんですよね?という問いに) うん。希望とか前向きさとかがなかったら詞なんて書かないですよ。 音楽とかも作らないし。 やっぱり悲しんでいる人を見てさ、頑張ろうってやっぱ声掛けられないっすよ。 すっごい悲しんでいる人見てね、明日があるから頑張ろうよ、とは俺には言えないから。 なんかじゃあそういう人にじゃないけど、自分でじゃあ何が言えるだろう?、 そういう責任みたいのがあるっちゃあ、ある。
明日が、その先の未来が、希望だけに彩られたものでないことを、
大人になるにつれ知ってしまいました。
無邪気で無責任に「明日があるから頑張ろうよ」って励まされても、
「その苦しみはよく分かるよ」なんて同情されたとしても、
それだけではもう心に響かないのです。
現実は、夢や希望があるのと同時に悲しみや絶望も存在するのだから。
「明日があるから頑張ろうよ」なんて、
無責任な励ましや同情ををしないところに、
それを歌ってしまえば楽なのに歌わないところに、
そして、嘘もたくさんついてるくせに、
音楽とその音楽を通じた私達に対しては誠実であろうとするスガシカオに、
私はとても惹かれてしまいます。
今回のツアーのMCで、
「ドウシテJ-POPハ、キレイナモノシカウタワナイノデスカ?
キレイナバラードモ、ボクハウタイマス。
デモ、キタナイモノモ、ウタウノデス」(こんな内容だったハズ)
希望と絶望、夢と現実、光と影、愛しさと憎しみ、まっすぐな気持ちと心に潜む歪み…
汚いもの・歪んだ気持ちから目を背けず、
ほんとに紙一重と思える両面を含めた現実のような虚構の世界を描き、
言葉の責任を自らに課して歌うからこそ、
力強く私の心に響いてくるのかもしれません。
「Cloudy」もすごく好きな曲です。
そんな気持ちで作った曲と知ったので、余計に思いいれがあるのかも…
歌詞の中に一つも優しい言葉なんかないのに、
もう現実には、遠く離れてしまい取り戻せることはないことは分かっているけど、
過ぎ去った時間・人への深い慈しみと愛おしさを感じます。
この弾き語りが撮影されてるのは、羽田空港から浜松町までのモノレールの途中、
天王洲アイルと浜松町の間にあるビルの屋上。
高所恐怖症のシカオちゃんが、屋上の端の近く、しかも手すりもないところで、
よく弾き語りなんて出来たなあ、と変なところで感心してしまいました。
たまに羽田空港を利用した後、モノレールに乗った時には、
右側に座り、ビルと夕焼けを見ながら「Cloudy」を思い浮かべています。
シカオちゃんにも色んな意味で思い入れのある曲のような気がしますが、
あまり耳にすることがないのが残念です。
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いつか機会があれば、本の方も読んでみようと思います。
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