「SWEET MEMORIES」


先日@富山のヒトリライブで、
シカオちゃんが歌ってた「SWEET MEMORIES
松田聖子さんの1983年の曲です。
いつかシカオちゃんの歌うのを聞いてみたい、と以前から思っていましたが、
まさかそれが本当に実現するとは思っていませんでした。


私の記憶が正しければ、
この曲は何か映画(ペンギンのキャラが出てた気が)の曲か、
ビール?のCMで使われてた記憶が。
そして、ぶっちゃけ松田聖子という歌手をそれほど好きじゃなかったにも関わらず、
この曲は、本当に本当に好きで、今も歌詞を全部覚えてます。
っていうか、私の中で、すべての歌のベスト10に入るぐらいに好きな曲です。
だから、あの時、シカオちゃんが歌詞を忘れた時、
思わず「若過ぎて!」と言っちゃいました。
シカオちゃんは宴会芸みたいなものだから、
と言ってましたが、いいもの聞かせてもらえましたよ。


以下、全然関係のない話。








以前、本当に本当に好きなひとがいて、
私の世界の中心はそのひとだった。
言うことを聞くとかそういう意味ではなく、
生きていく中のあらゆること、
たとえば、勉強することも着飾ること、直接関係ないことも、
そばにいてもいなくても、すべての中心だった。
ひたむきっていうか純粋っていうか。
今にして思えば、純粋と狂気が紙一重っていうのがよく分かる。


ある日偶然会った。
絶対に忘れないと思っていた記憶のはずが、
時間がたつにつれ、記憶から少しずつ抜け落ちていた。
出来事・景色・匂い・色・ぬくもり・声、そして、あのひとの姿さえも。
そういった記憶が、一瞬にして甦った。
一歩づつ歩み寄るあのひととの距離とともに、
初めて出会った時のことから最後に見た背中まで、
まるで映画のラッシュのように速いスピードで、
周りの風景が色を持って鮮やかになり、
焦点が、あのひとにそして現在に合っていく。
時を超え、世界が変わる。
「なつかしい痛み」ではなく、
「なつかしく、そして、今ここにある痛み」だ。
私の世界の中心は変わらずあのひとだと思い知った。
今まで生きてきた中で、
あの時ほど、心を揺さぶられたことはない。


あれから時が過ぎ、
駆け引きも嘘も媚びもごまかしもしたたかさも覚え、
私は強くなった。
今ではもちろん、世界の中心は自分だ。


もう大人になってしまった私は、
あんなふうに誰かを恋うことはあるのだろうか。
あんなふうに誰かに心を揺さぶられることはあるのだろうか。


…という、むかしばなしでした、とさ。


おしまい。